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電撃文庫の「なれる!SE」シリーズが予想以上に面白かった件

ただのイロモノかと思いきや

まず前置きとしてまだ原作ラノベ2巻までしか読んでないし、ラノベの感想なんかほとんど書いた事無い人間の書くにわかの記事であることを述べておく。

名前だけは知っていた電撃文庫の「なれる!SE」シリーズを昨日から読み始めた。
きっかけとなったのは以下の記事。

Amazon・Kindleストアのライトノベル・ベストセラーを『なれる!SE』が席巻!&BLベストセラー | LUNATIC PROPHET

以前からTwitterのフォロワーがその日購入した書籍やらをInstagram等でうpしてる中に混じってたりして存在自体は認識していたのだが、そこまで人気なのであればKindleも持っていることだし試しに読んでみようと思った。
以下個人的な感想等、直接的なネタバレは無いはず。

個人的な感想

とりあえず1巻を読んだ感想は「室見さんの素性が気になるから続きを読むしかない」だった。
本作のような書籍の場合はやはりまずタイトルに興味を惹かれる人が多いと思う、で実際の書籍を見る。
そうすると表紙にはおよそシステムエンジニアとは無縁そうなオタ受けしそうな少女の絵。
「え?何この娘?主人公の血縁か何か?SEと何か関係あるの?」
そんな一般的な思考を打ち砕く設定だったのが「なれる!SE」の第1巻だった。

当初はブラック企業とそこで奴隷の如く働かせられる社畜の惨状がメインで語られるが、終盤では激務をやり遂げることで得られる普通の企業では味わえない麻薬のような達成感についても熱く語られる。だが第1巻としての引きはやはり「室見さんって何者?」に集約されると思う。

続けて第2巻では結局ブラック企業でやっていくことになった主人公、第1巻ではあれほど超越的だった室見さんの意外な弱みなどで少しキャラについて掘り下げて、そこから更に今後重要な立ち位置になるであろう新キャラを登場させるという形で1巻よりはテンポ良く話が進んでいく。
1巻での引きは室見さんの魅力にかかっているため少し弱かったが、2巻では更に別の魅力的なキャラが登場し、主人公もなんかもう覚悟を決めた形になっていて1巻よりはストレス無く読めるようになっており普通に続きが楽しみになった。
もちろん室見さんの素性は気になるのだが、この魅力的なキャラたちが今後どのようなデスマに巻き込まれるのかを考えると他人毎なのでワクワクしてくる。
幾つか特徴的な表現をそこそこ多用する辺りが気になったが、話の構成としては上手いと思いながら楽しませて貰った。

魅力と読者層

そもそものラノベの対象読者層って中高生辺りだと思うんだけど、現在は社会人も普通にラノベを読む。
娯楽の多様化やどっちが先か分からないけど晩婚化とか色々理由はあるんだろうけど、昔は子供の娯楽という認識だったものをそのまま大人まで持ってきたという感じ。
それに合わせて出版社側もある程度対象年齢高めなラノベも刊行してきたのではないかと思うけど、「なれる!SE」シリーズはモロにそんな感じで社会人向けなのではないかと思う。

普通は専門知識を多分に含む作品であればある程度読者側に配慮は為されるのであろうが、その点言葉は悪いが本作は1巻から専門知識を持たない読者は置いてけぼりだwもちろん専門知識が無くても物語としては楽しめるし、構築や障害対応に関する概要くらいは掴めるので一般の読者も十分に楽しめる。
だがこの作品はやはり物語内の該当の業務かそれに近い業務に従事している読者が一番楽しめるのではないかと思う。

とはいえ自分も職歴としてはプログラマーというにもおこがましいくらいの仕事くらいしかしたことが無くSE業務なんぞやったことは無い。ただ詳しくは書けないが現在の仕事はIT業界の端っことはいえ、それに少し近い?かもしれない?辺りに属しているので、IT関連に全く関係の無い仕事をしている人よりは楽しめている方だと思う。

まとめ

予想通り酒飲みながら書いてたらとっちらかった内容になってしまったが、確かに本作はKindleストアで上位に食い込む魅力のある作品だ。名前だけでイロモノと思わずとりあえず2巻まで読んでみるのをオススメする。

最適な対象読者はやはりIT関連の仕事をしてる人。フィクションも多分に含んでいるので好みが分かれるかもしれないが、作者自体がSEとして激務をこなしていたということなのでそこまで極端に外れてはいないと思う。
あとは就活を控えた大学生だろうか。ラノベには珍しく現代のさほど珍しく無い職種にスポットを当てた作品なので色々と感じるところはあると思う。まぁ室見さんとかカモメさんみたいな人がフィクションの筆頭なのであまり夢とか見過ぎない方がいいとは思うが…。

とりあえず実書籍を買わずにKindleで買ったためにカラーページを堪能できないことを悔やみつつ続きを楽しみたいと思う。

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