戯言

西尾維新 『難民探偵』

Blogに書くのが遅くなったけど西尾維新の新作『難民探偵』読み終わりました。

難民探偵 難民探偵
(2009/12/11)
西尾 維新

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今作は講談社創業100周年記念の書き下ろしということで、新作書き下ろしハードカバーで350ページほどの本です。
西尾維新の作品というと毎回良い絵師に恵まれている典型的なラノベなイメージが強いですが、今作は挿絵など一切無くオマケ程度に帯に主要キャラのシルエットがあるくらい。作風もまぁ本のボリュームを考えれば当然だけど、割とアッサリ目な感じです。

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既存作品と見比べて近いのは一応同じ推理物ということでJDCトリビュートシリーズ辺りになるかな。ただ今作は本当に普通の推理物なので既存作品と比べると、キャラ付けは普通だしストーリーも極めて一般的な範囲内で進行します。
どれくらい普通かというところを見せるために軽く主要キャラとかに触れると

『主人公は現在絶賛就職浪人中の窓居証子。どうにも就職が決まらずどうしようも無くなった証子は祖母に泣きついたところ、証子の叔父である窓居京樹を紹介される。京樹は人気作家だが非常に偏屈な性格な持ち主であるが、証子の祖母からの手紙を見て証子を半年間限定でお手伝いとして雇うことを了承する。京樹の家でお手伝いをしながら就職活動に励む証子は、ひょんなことから京樹の友人で通称 難民探偵と呼ばれるネカフェを住処とする根深陽義という男の探偵業のお手伝いまでするはめに…。』

いやぁ、普通ですね。西尾維新の作品にしては設定が普通過ぎて逆に新鮮です。
ただキャラやストーリーの設定は他シリーズと比べて普通ではあるものの、西尾維新作品特有の会話の妙味は健在です。
主に会話するのは京樹と陽義、なんとなく京極堂と榎木津みたいな感じと思ってもらえればいいかと。まぁ京極夏彦の本はほとんど読んだことないんだけど。

最近活字からはとんとご無沙汰だった黒生でも一晩で一気に読めたので、ハードカバーとはいえラノベしか読んだことない人でも気軽に読めるかと思います。今までとはちょっと違う西尾維新ワールドに興味があれば是非。

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